◆銀行が良く見る勘定科目
今日は銀行が中小企業から決算書を受け取った時にどのような
勘定科目について良くみているか主なものを紹介してみます。
特に資産項目については粉飾を見極めるうえで重要になるので
目を光らせています。
●現金
現金とは札束のお金の事です。
現金商売でもないのに現金残高が異常多いのは
お金の使い方の公私混同が疑われます。
★ご参考
●貸付金
上記の現金と関連します。
預金口座から現金を引き出す
↓
その現金を社長個人の私用で使う
↓
会社の経費計上できない
↓
会社から社長への貸付として処理される
上記の現金と同様公私混同が疑われます。
●仮払金
決算書にこの科目が残っている事自体を問題視します。
会社の管理能力に?です。
●建設仮勘定
請負業の方は要注意。
この科目が前期対比膨れあがっていませんか?
未成工事支出金や仕掛品として処理される事もあるので
そのような勘定科目も同様によくチェックされます。
●前払費用
流動資産上の前払い家賃などなら特に問題ありません。
それ以外を社長自身の言葉で対外的に説明できますか?
EX火災保険料や保証協会の保証料等々
●商品、仕掛品、売掛金
売上の増減率との対比をみています。
売上の増減率との整合性があっているか?
売れ残りや回収困難な債権が滞留していませんか?
売れ残りがでたり代金回収が遅れるとこれらの残高が膨らみます。
これらの勘定科目のは内訳明細で売掛先の内容と合わせて
チェックされています。
●出資金
出資金がある事が問題ではなくて資産を関連会社に
譲渡(飛ばし)されていないか?をチェックしています。
関連会社の決算書を銀行にすぐにオープンにできますか?
●繰延資産
たまにあるのが創業して5年以上経過しているのに
創業費がいつまでもBS上に記載されているなど。
●前受金
エステサロンや英会話教室等の回数チケットを販売する業種は
この勘定科目と現預金のバランスをよくチェックしています。
★ご参考
回数券を販売したら負債になる!?
●資産査定(デューデリ)
銀行はこのように会社の資産項目に一つ一つについて
査定(デューデリ)を加えて実質の会社の貸借対照表を作成します。
簿価(決算書上に記載されている価格)を
下回れば評価損
上回れば評価益
として最終的にこの会社とこれから取引が出来るか否かの
”評価”を決めているのです。銀行とのやり取りを真剣に考えるなら、
出来上がった決算書の数値について他人任せで大丈夫ですか?
本当は資金繰りが厳しいのにどうして黒字になっているのか?
解らないままで大丈夫でしょうか?
今一度自分の会社の決算書の内容をよく見てては如何でしょうか?