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BS脳の基本:黒字≠現金の理由

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BS脳の基本:黒字≠現金の理由

会社が黒字でもお金が残らない!

現金がなければ会社は立ち行きません。

黒字なのに現金が残らない!どうしてなのか?
具体的な事例を使って解説してみます。

お金の流れをつかむのは会社の貸借対照表を
視覚的に見ると良く解かります。

貸借対照表を視覚的に見る

例えばある人が資本金700で会社を設立したとします。

会社を設立した直後の貸借対照表を見るとこうなります。
尚、説明の便宜上登録免許税などの諸経費は考慮してません。

めでたく資本金700で会社を設立した社長さんですが、
もう少し現金があると助かるということで

300の借入をしました。

そうするとこの会社の借対対照表はこうなります。

当たり前ですが、借入(負債項目)が増えるので

その分現金も増加します。

つまり

負債増=現金増

となります。

では実際にこれから商売スタートです。

この場合2つのケースを考えてみます。

ケース①

・商品を500で仕入れその支払はその場で現金払い

・商品はめでたく700で完売しました。
でも回収は1月後つまり売掛金700

ケース②

・商品を500で仕入れしかし支払はその1月後。
 つまりは買掛金500

・商品はめでたく700で完売
 回収はその場で現金回収しました。

①②の両方のケースの損益だけ見ると利益は同じ!

売上 700

仕入 500

儲け 200

となります。

しかし商売のやり方を見ればわかるように

ケース②の方が明らかに現金が手元に残るのがわかると思います。

①と②を貸借対照表の変化を視覚的目に比較すると
(手書きのためバランスの誤差ご容赦願います。)

まず①

次に②

明らかに②の方が現金がリッチです。
変化の流れは極めてシンプルな事例ですが、
現金が増えたり減ったりするのには貸借対照表の
勘定の動きに一定の法則があります。

これは上記にすでに一つ記載してますが

貸借対照表の右側の項目の勘定が増えると

現金は増えます。

反対に左側の項目で現金以外の勘定項目の金額が増えると

現金は減ってします。

その法則に従い今回の事例で

キャッシュフロー計算書を簡単に作ります。

ケース①のお金の流れ(キャッシュフロー)

資本金700でスタートなので

・期初の現金は 700

・負債である借入300をしたので+300

・損益より儲け200ですから +200

・現金以外の資産売掛金が700になったので▲700

したがって現金残高は 700+300+200-700=500になります。

ケース②のお金の流れ(キャッシュフロー)

・期初の現金は700

・負債である借入300をしたので+300

・損益より儲け 200ですから  +200

負債買掛金が500増えたので+500

したがって現金残高は700+300+200+500=1,700になります。

凄くシンプルな事例ですがこれが
キャッシュフロー計算書の基本の考え方です。

黒字なのに現金が残らない理由は

損益計算書の利益だけいくら眺めてもダメと言うことです。

会社のキャッシュフローをつかむのであれば

会社の貸借対照表(BS)の勘定科目の推移を
細かく見ていくのが大事です。

まずは上記簡易な事例で勘定科目の推移をどのように

見たらよいのか?その基本を理解いただければと。

関連記事 資金繰り道場別館より

キャッシュフロー計算書を理解する基本の基本

小学生でもわかるキャッシュフロー計算の考え方

コチラのブログも是非どうぞ!
資金繰り道場 別館


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