事業性評価とは?
事業性評価とは、金融機関が融資判断をするとき
その会社の財務諸表(定量情報)のみならず、
今後の戦略や強み知的資産などの定性情報も考慮に
入れて評価するというものです。
金融庁が金融機関に推奨しているもので、
今までの財務データや担保・保証に必要以上に
依存することなく、借り手企業の事業の内容や将来の
成長可能性などを適切に評価し、融資や助言を行うこと
を目的としています。
事業性評価によって銀行の融資スタンスはどうなるのか
事業性評価は、金融機関が企業に対する融資を
決定する際に財務諸表(定量情報)だけでなく、
企業の戦略や強み、知的資産などの定性情報も
考慮に入れて評価する手法です。
これにより金融機関は財務データや担保・保証に
過度に依存せず企業の事業内容や成長可能性を評価し
融資審査を行うようになります。
事業性評価で銀行が会社を見るポイントとは
過去の決算書による定量評価だけでなく以下のような
定性情報を見て評価するようになります
- 経営者
経営理念・ビジョン、経営哲学・考え・方針、
経営意欲、後継者の有無や育成状況 - 事業
企業及び事業沿革、強み・弱み、ITに関する投資
付加価値向上に向けた取り組みなど - 企業を取り巻く環境・関係者
市場動向、競合他社との比較、顧客リピート率、
従業員定着率、取引金融機関など - 内部管理体制・組織体制
品質管理・情報管理体制、事業計画・経営計画の有無と
従業員とのその共有状況。
研究開発・商品開発の体制、人材育成の取り組み状況など
これから社長がやるべき事(経営方針)
- 経営者の理念やビジョン、経営意欲、後継者の有無や
育成状況を明確にし金融機関等に対しての信頼性を示すこと - 企業の強みと弱みの把握:
企業の沿革、強み・弱み、経営環境を把握して
IT投資等や人材育成を通して付加価値向上の取り
組みを示すこと - 市場動向と競合他社の分析:
将来の市場動向、競合他社との比較、顧客リピート率
などを分析して企業の競争力を高めるための戦略を策定する事 - 品質管理と内部の情報管理体制の強化:
品質管理・情報管理体制、事業計画の有無、研究開発・
商品開発の体制、人材育成の取り組み状況を強化しPDS
のプロセスが円滑に行わる体制を整備すること
企業が事業性評価のポイントを知る目安(ロカベンとは)

ローカルベンチマーク(通称:ロカベン)は
経済産業省が発表した企業の経営状態を把握する
ためのツールです。これは、企業の経営者と金融機関や
支援機関等がこれを活用して企業経営の現状や課題を相互に
理解することで個別企業の経営改善や地域活性化を
目指す為に活用ができます。
ローカルベンチマーク・シートの2つの構成
【財務面】6つの指標
- 売上高増加率
◆算式:売上高/前期売上高-1(%)
事業規模や成長性を評価 - 営業利益率
◆営業利益/売上高
企業の本業から得られる利益を示し、
経営の効率性を評価 - 労働生産性
◆営業利益/従業員数
生産性の指標 - 有利子負債倍率(EBITDA)
◆(借入金-現預金)/(営業利益-減価償却費)
有利子負債(借入)がキャッシュフローの何倍かを示す指標
↓↓
有利子負債を完済するのに何年かかるか?
*EBITDAとは
利払前・税引前・償却前利益
=営業利益+減価償却費
簡易的な営業キャシュフローと同義 - 営業運転資本回転期間
◆(売上債権+棚卸資産‐仕入債務)/平均月商
必要運転資金の必要性や資金繰りを見る指標
回転期間が短いほど資金回収が早い事を意味して
資金繰りが楽になる。 - 自己資本比率
◆純資産/総資産
純資産
↓↓
企業が保有しているすべての資産からすべての借入・負債を
差し引いた後にに残る額で基本資本+利益の蓄積となる。
比率が高いほど会社としての安全性が高い。
【非財務面】商流・業務フロー・4つの視点
1.商流
何処から仕入れて何処に売るのか
仕入れ先の選定や取引規模
売先として選ばれているポイントは何か
商流確保のためにITを活用しているか
2.業務フロー
自社の商品サービスがどのようなプロセスで提供されて
いるのか?を把握して可視化する。またそのプロセスの
中で自社の工夫やこだわりを盛り込む
3.4つの視点
①経営者:
経営理念・ビジョン、経営哲学・考え・方針、経営意欲、
後継者の有無や育成状況など。
②事業:
企業及び事業沿革、強み・弱み、ITに関する投資、
1時間当たり付加価値向上に向けた取り組みなど。
③企業を取り巻く環境・関係者:
市場動向、競合他社との比較、顧客リピート率、
従業員定着率、取引金融機関数など
④内部管理体制・組織体制:
品質管理・情報管理体制、事業計画・経営計画の有無、
従業員との共有状況、研究開発・商品開発の体制、
人材育成の取り組み状況など。
ローカルベンチマークの活用方法
1:中長期の事業計画作成
2:事業承継の準備
3:資金調達(融資・補助金等)の審査材料
4:金融機関との円滑な取引関係の維持
5:採用活動や人材定着に活用
6:取引先に対する情報開示
7:会社の宣伝広報活動活用
等々

ローカルベンチマークを活用する上での留意点
1:経営トップの明確な目的意識(着地点の具体化)
2:定期的かつ継続的な検証・見直し・修正
3:従業員との情報共有と透明化
4:客観性の確保(外部機関等を活用・連携・アドバイス)
5:経営の効率化推進
事業性評価の今後について
今後、事業性評価は企業と金融機関の双方にとって
重要なツールとなります。
企業にとっては財務諸表には表れない潜在的な成長を
見出してくれるきっかけとなる一方で金融機関に融資
リスク判断の貴重な判断材料となると同時に潜在的な
成長企業を開拓できるメリットになります。
企業としてはまずローカールベンチマークを活用して
経営者の経営方針をベースにまずは事業計画の作成の
取り組みが急務です。
AIを活用する事業計画を作成ヒント
↓↓
画像をクリック
