少し前ですが吉野家HDの決算発表がありました。
吉野家HDコロナの影響で最終赤字75億へ転落!
吉野家HD決算短信の冒頭がコチラ
☟
確かに
売上前期比 ▲21.2%
最終損益 ▲75億
となっております。
庶民の味方
吉野家あと連結子会社のはなまるうどん
大丈夫か?
私も日頃お世話になっておりますので
吉野家HDが大丈夫か?チョイと調べてみた
まず手許の現金はどうか?
決算書のBS残高を見ると
75億の赤字なのに現金は
150億円以上増えている!Σ(・□・;)
なんか不思議ですね・・・
では損益計算書はどうか?
マイナス印の▲が目立ちますね・・・
まず営業利益の段階で既にマイナス▲53億です。
助成金やらの収入が32億ありますが
効果が限定的ですね・・
大丈夫か?吉野家・・
損益計算書だけ見ても
現金の増の要因はわからんね・・
ではココ見てみます。
お金の流れを見る為にある
キャッシュフロー計算書!
キャシュフロー計算書のお金の流れを見ると
キャッシュフロー計算は
お金の流れを3つに分けて増減を見ます。
- 営業活動(商売)のお金の流れ
- 投資活動のお金の流れ
- 財務活動のお金の流れ
まず商売のお金の流れである
営業活動のキャッシュフロー計算書
赤い部分を見て頂くと一目瞭然
減価償却費による繰り戻し71億
あと赤しるしは付けておりませんが
減損損失の45億の繰り戻し
トータル現金の増減は27億の増
勿論前期からしたら大幅減ではありますが
営業活動から現金が減る最悪の状態にまで
至っておりません。
*尚営業活動のキャシュフローに
固定資産売却損益があるのは
連結子会社に宅建業者を抱えているため
次に投資活動を見てみる
ココでは大きく現金51億円を減らしております。
要因は
固定資産の取得や差入保証金の支出をしているので
新規のリニューアルや出店を行った事が大きい。
*有形固定資産の取得 43億
*差入保証金の差入 25億
差入保証金の部分を見ると
保証金差入による支出 :▲253
保証金の回収:761
となっているので閉店を進めつつ
新店出店やリニューアルを進めている
と見られます。
次に財務活動のキャッシュフロー
赤い部分を見ると判るのが
短期借入130億
長期借入141億
既存の返済90億(長期借入返済+ファイナンスリース債務返済)
都合178億円現金を増やしております。
キャッシュフロー計算書の3つのお金の増減は
営業活動 +27億
投資活動 ▲51億
財務活動 +178億
トータル +154億
現金増の要因はコレですね。
2020/3~2021/2の
吉野家HDのキャッシュフローを総括すると
コロナの影響で減収減益ではありますが
償却負担まではカバーできないなけど
営業上のキャッシュの増減はトントンを維持
コロナ禍にあって不採算店の閉店を行いつつ
店舗の出店やリニューアルもやっている。
75億の最終赤字の内45億はお金の動きを伴わない減損損失で
コロナによる一過性と見て取れる。
*減損については書くと非常に長くなるので省略致します。
売上減が続く事を見越して手許の現金確保は
一応出来ている。
確かに大きな赤字転落ではあるけどコロナの収束が
なかなか見通せない中ではかなり健闘しているのでは?
とみております。
業績も前回予想▲90億から▲75億に抑えていますからね。
損益だけ見ていてはお金の流れはわからない!
お金の流れを見ないと会社のこれからも予測できません。
2021年3月~どうなる吉野家HD
前期は75億の赤字に転落した庶民の味方吉野家
コロナ影響で外食業界は依然として非常に厳しい
状況が続いております。
そんな中今期は更なる店舗の閉店が予測されます。
このコロナを機にどのように構造変化できるか。
注目してみていきたいです。
コチラのブログも是非どうぞ!
資金繰り道場 別館